【トリセツショー・MCI】認知機能改善の運動!やり方を理学療法士が図解で解説

トリセツショーMCI・認知機能改善の運動とやり方を理学療法士が図解 あしたが変わるトリセツショー
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2026年10月1日放送のNHK『あしたが変わるトリセツショー』では、「認知症に先手を打つ!MCIのトリセツ」が紹介されました。

MCI(軽度認知障害)の対策として注目されているものの一つが、運動です。

では、どんな運動を、どのくらい行えばいいのでしょうか?

この記事では、番組内容と国立長寿医療研究センターの情報をもとに、認知機能の維持・改善のために取り入れたい運動とやり方を理学療法士がわかりやすく解説します。

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【トリセツショー・MCI】認知機能改善の運動は?

『トリセツショー』では、MCIの段階から取り組みたい認知症対策の一つとして、運動が紹介されました。

番組では運動について詳しく説明がありませんでした。

ここからは、認知機能対策として取り入れやすい運動を、理学療法士の視点から紹介します。

事前に押さえておきたいのは、次の3つです。

運動特徴やり方
ウォーキング有酸素運動少し息が弾む程度を目安に歩く
スクワット筋力トレーニング椅子などを使い、立つ・座る動作を繰り返す
二重課題運動身体+頭を同時に使う歩きながら計算、足踏みしながらしりとり

それぞれ詳しく見ていきましょう。

認知機能改善に取り入れたい運動①ウォーキング

まず取り入れやすいのが、ウォーキングなどの有酸素運動です。

国立長寿医療研究センターでは、認知機能への効果が期待される運動として、週3日以上・半年以上の継続を挙げています。

また、運動の強さは中強度以上が一つの目安です。

「中強度」と聞くと、かなり激しい運動を想像するかもしれません。

しかし、わかりやすい目安は、

「少し息が弾むけれど、一緒に歩いている人とは会話ができる程度」

です。

ウォーキングのやり方

  1. 無理のない速度から歩き始める
  2. 身体が温まってきたら少し歩く速度を上げる
  3. 「少し息が弾む程度」を目安にする
  4. 無理のない範囲で継続する

大切なのは、最初から頑張りすぎないこと。

認知機能への運動は、1回だけ頑張るよりも、生活の中で継続して身体を動かすことを意識したいところです。

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認知機能改善に取り入れたい運動②スクワット

自宅で行いやすい筋力トレーニングとして、私がおすすめしたいのがスクワットです。

スクワットは、

  • 太もも
  • お尻
  • 体幹

など、立つ・歩くといった日常生活に重要な筋肉をまとめて使うことができます。

『トリセツショー』でも、これまでさまざまなテーマで登場してきた運動ですね。

椅子を使ったスクワットのやり方

  1. 椅子の前に立つ
  2. 足を肩幅程度に開く
  3. お尻を後ろへ引くようにゆっくり膝を曲げる
  4. 椅子に座る、または座る直前で止める
  5. ゆっくり立ち上がる

最初から深くしゃがむ必要はありません。

高齢者の場合は、椅子からの立ち座り運動として行うだけでも取り組みやすくなります。

回数についても「必ず○回」と決めるより、まずはその方の筋力や体力に合わせることが大切です。

詳しいコツはコチラに図解で紹介します。

膝や腰に痛みがある場合や、立って行うことに不安がある場合は無理をしないようにしてください。

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認知機能改善に取り入れたい運動③二重課題運動

認知機能を考えるうえで、もう一つ注目したいのが二重課題運動(デュアルタスク運動)です。

これは簡単にいうと、「身体を動かしながら、同時に頭も使う」運動です。

たとえば、

  • ウォーキング+計算
  • 足踏み+しりとり

などがあります。

100から3ずつ引きながらウォーキング

歩きながら、

100 → 97 → 94 → 91 → 88……

と、100から3ずつ引いていきます。

ただ歩くだけではなく、

「歩く」+「計算する」

という2つの課題を同時に行うのがポイントです。

ただし、ここで注意したいことがあります。

100から3ずつ引くことが難しければ、もっと簡単な課題で構いません。

二重課題は、難しいことをすること自体が目的ではありません。

その人が無理なく考えながら身体を動かせる難易度に調整しましょう。

しりとりをしながら足踏み

もう一つ、自宅でも取り組みやすいのが、「しりとり+足踏み」です。

足踏みを続けながら、

りんご → ゴリラ → ラッパ → パンダ……

としりとりを続けます。

一人で行っても構いませんが、家族などと一緒に行えば会話も生まれます。

歩きながらの二重課題が不安な方は、まずはその場での足踏みや、椅子に座った状態での足踏みから始める方法もあります。

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二重課題は「難しいほどいい」わけではない

ここは、理学療法士として特にお伝えしたいところです。

認知機能のトレーニングというと、

「難しい問題ほど脳を使うからいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、難しくすること自体が目的ではありません。

私自身、以前に老人保健施設で認知症短期集中リハビリテーションの立ち上げに関わった際にも、簡単な計算や音読などの認知課題を取り入れていました。

そこで大切にしていたのは、その方に合った難易度にすることです。

「100から3ずつ」が難しければ、

  • 100から1ずつ引く
  • 簡単な足し算をする
  • 野菜の名前を挙げる
  • 好きな歌を歌う

などに変えてもいいでしょう。

特に二重課題では、頭の課題に集中することで歩行がおろそかになることがあります。

歩行が不安定になるほど難しい課題を加える必要はありません。

「できる」レベルから始めて、安全に続けることを優先しましょう。

認知機能改善の運動はどのくらいやればいい?

国立長寿医療研究センターでは、認知機能への運動効果について、

  • 週3日以上
  • 半年以上継続
  • 中強度以上

が、より効果が期待される条件として紹介されています。

週3日以上
↓
半年以上続ける
↓
少し息が弾む程度の運動

ここで個人的に注目したいのは、「半年以上」という期間です。

認知機能のための運動というと、特別な体操を短期間頑張るイメージを持つかもしれません。

しかし、長く続けることを考えるなら、

「何をすれば一番効くか?」だけではなく、「自分が続けられる運動は何か?」

という視点も大切です。

ウォーキングでも、スクワットでも、地域の体操教室でも構いません。

生活の中に無理なく組み込める方法を探してみてください。

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なぜ運動で認知機能の改善が期待できる?

MCIへの運動介入については、国立長寿医療研究センターなどによるJ-MINT研究でも検討されています。

この研究ではMCIのある高齢者に対し、

  • 生活習慣病の管理
  • 運動
  • 栄養
  • 認知トレーニング

を組み合わせた取り組みが行われました。

この研究ではMCIのある高齢者に対し、生活習慣病の管理・運動・栄養・認知トレーニングを組み合わせた取り組みが行われたという内容のイメージ図。

つまりポイントは、「運動だけをすれば認知機能が改善する」という単純な話ではないことです。

身体を動かすことに加えて、食事や血圧などの管理、認知活動などを組み合わせて考えることが重要です。

▼MCI対策の4つの方法はこちら

【内部リンク:トリセツショー・MCI|認知機能を改善する4つの方法】

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【放送後追記:運動によって脳にどのような変化が起こるのか、番組解説を追記】

理学療法士が考える|運動を続けるためのポイント

理学療法士として高齢者の運動を考えるとき、私は「正しい運動をすること」だけが大切なのではないと感じています。

特に認知機能が低下している方の場合は、運動そのものに加えて伝え方も重要です。

たとえば、

「右足を出して、次は左足を出して、手も動かして、数を数えながら……」

と一度にたくさん説明すると、情報を処理すること自体が難しくなる場合があります。

そのため私は、

  • 短い言葉で伝える
  • 一つずつ説明する
  • 必要なら実際に動きを見せる
  • できる難易度から始める

ことを意識しています。

私の中では、「脳が快適に処理できる情報量にする」というイメージです。

「頭を使わせなければ」と課題をどんどん難しくするのではなく、本人が安心して身体を動かせることも大切にしたいところです。

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高齢者が運動するときは転倒に注意

認知機能に良い運動でも、転倒してケガをしてしまっては本末転倒です。

特に二重課題運動は、考えることに注意が向くため、普段より足元への注意が少なくなる可能性があります。

歩行に不安がある方は、

  • 安定した椅子や手すりを利用する
  • 座ってできる運動から始める
  • 家族などがいる場所で行う
  • 痛みや体調不良があるときは無理をしない

など、安全を優先してください。

持病がある方や、運動中に胸痛・強い息切れ・めまいなどがある場合は、自己判断で運動を続けず、医療機関に相談してください。

MCI対策は運動だけではない

今回の『トリセツショー』で紹介されたMCI対策では、運動だけでなく、

生活習慣病の管理・運動・食事や栄養・認知トレーニング

という複数の方向から取り組むことがポイントでした。

「認知症が心配だから脳トレだけ」

「運動だけ頑張る」

ではなく、普段の生活全体を見直すことが大切です。

4つの方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。

【内部リンク:トリセツショー・MCI|認知機能を改善する4つの方法】

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まとめ|認知機能改善の運動は無理なく続けよう

今回は『あしたが変わるトリセツショー』のMCI特集に合わせて、認知機能の維持・改善のために取り入れたい運動についてまとめました。

番組では詳しい運動のやり方などは紹介されませんでした。

認知症の方のリハビリに20年以上携わってきた理学療法士として、また、これまでトリセツショーを見てきた番組ファンとして、以下の運動を紹介しました。

  • ウォーキング
  • スクワット
  • 二重課題運動

運動は、難しいものや激しいものほど良いわけではありません。

特に二重課題では、本人が無理なくできる難易度に調整し、安全に身体を動かすことが大切です。

そして、運動は一度だけ頑張るのではなく、生活の中で続けていくこともポイント。

気持ちよく楽しく運動を続けていきたいですね。

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