2025年の全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝で、次々と区間新記録を打ち立てた城西大学の本間香(ほんま・きょう)選手。
大学1年生とは思えない力強い走りと、楽しそうに走る表情が印象的でした。
しかし、2026年には左足首を痛め、約1か月半にわたって走れない時期を経験しています。
その間、本間選手は水泳やエアロバイク、体幹トレーニングなどに取り組み、長い日には1日6時間にも及ぶリハビリを重ねていたそうです。
そして9月には競技復帰を果たし、10月の関東大学女子駅伝では6人抜きの快走を見せました。
今回は、本間香選手のケガの経緯と復帰までのリハビリについて、理学療法士の視点から考察します。
本間香のケガはどこ?左足首の炎症で約1か月半走れず
本間香選手がケガをしたのは、2026年5月の関東インカレ後でした。
9月13日公開の「4years.」のインタビューによると、ポイント練習中に左足首の下あたりに突然痛みが生じたそうです。
その後は歩くことも痛い状態になり、約1か月半にわたってランニングができなくなりました。
ケガの部位と症状
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発症時期 | 2026年5月の関東インカレ後 |
| 痛みの部位 | 左足首の下あたり |
| 発症状況 | ポイント練習中に突然痛みが発生 |
| 症状 | 歩行時にも痛み |
| 診断に関する説明 | 疲労骨折ではなく炎症 |
| 走れなかった期間 | 約1か月半 |
長距離ランナーの足首周辺には、繰り返しの着地や蹴り出しによって大きな負荷がかかります。
足首の下には複数の腱や靱帯、関節などがあるため、炎症の起こる場所によって症状や回復までの経過も異なります。
本間選手については、左足首の下の炎症であったことが分かっていますが、具体的な傷害名までは公表されていません。
日本選手権やホクレンDCを欠場
本間選手は、ケガによって次の大会への出場を見送りました。
- 2026年6月12日:日本陸上競技選手権大会
- 2026年7月:ホクレン・ディスタンスチャレンジ
4月の日本学生個人選手権では女子5000mで優勝し、5月の関東インカレでも日本人選手トップとなる3位に入っていました。
好調だったトラックシーズンの途中で、走ることができなくなったのです。
本間香が取り組んだ1日6時間のリハビリとは?
10月5日に公開された「THE ANSWER」の記事では、本間選手が取り組んだリハビリの内容が詳しく紹介されています。
走れない期間には、水泳やエアロバイクなどを組み合わせてトレーニングを継続していました。
長い日には朝・昼・放課後を合わせて6時間に及ぶこともあったそうです。
リハビリで実施したトレーニング一覧
| トレーニング | 理学療法士から見た主な目的 |
|---|---|
| 水泳 | 着地衝撃を抑えながら全身持久力を維持する |
| エアロバイク | 心肺機能や下肢の筋持久力を維持する |
| ウォーキング | 荷重や歩行動作に慣れる |
| ジョギング | ランニングへの段階的な復帰を目指す |
| 体幹・補強運動 | 姿勢制御や身体の安定性を高める |
※右列は、各運動について一般的に考えられる目的を整理したものです。
本間選手は、ランニングができない期間も、競技復帰を見据えた身体づくりを続けていたことが分かります。
苦手だった体幹トレーニングにも挑戦!
私が特に興味を持ったのは、体幹トレーニングに取り組んでいたことです。
実は、2025年の富士山女子駅伝で本間選手の走りを見たとき、私は体幹の安定性が非常に印象的だと感じました。
速いペースでも上半身が大きくブレず、軽やかに前へ進んでいく姿が素晴らしかったのです。
ところが今回のインタビューでは、本人は体幹トレーニングが苦手だったことが紹介されていました。
あれほど安定した走りを見せていた選手が、リハビリ期間に改めて体幹のトレーニングに向き合ったというのは、とても興味深い話です。
この経験が、今後の走りにどのような変化をもたらすのか。
理学療法士としても注目しています。
理学療法士が考察!本間香のリハビリで注目した3つのポイント
長距離ランナーがケガをした場合、痛みのある部分を休ませるだけではなく、競技に必要な身体機能をできる限り維持することも重要です。
今回の本間選手のリハビリでは、特に次の3点に注目しました。
① 水泳やエアロバイクで心肺機能を維持する
長距離走では、心肺機能と全身持久力が重要になります。
しかし、足首に痛みがある状態でランニングを続けると、患部への負担が大きくなることがあります。
そこで役立つのが、水泳やエアロバイクです。
水泳は浮力によって体重を支える負担が小さくなり、エアロバイクはランニングに比べて着地衝撃を抑えながら運動できます。
どちらも、運動の強度を調整することで心肺機能や持久力の維持につなげられます。
もちろん、足首の状態によっては水中でのキック動作やペダリングでも痛みが出るため、負荷の調整は必要です。
それでも、走れない期間に別の運動方法でトレーニングを継続できることには、大きな意味があります。
② ウォーキングからジョギングへ!段階的な負荷が重要
足首の痛みが改善しても、すぐに元のランニング量へ戻せるとは限りません。
ランニングでは片脚で着地するたびに、足部や足関節、下肢全体へ繰り返し負荷が加わります。
そのため、競技復帰では一般的に次のような点を確認していきます。
- 日常生活や歩行で痛みが出ないか
- 運動中に痛みが増えないか
- 運動後や翌日に症状が悪化していないか
- ランニングの距離や速度を段階的に増やせるか
歩行とジョギングでは、身体に加わる負荷が大きく異なります。
本間選手が取り組んだウォーキングやジョギングも、競技復帰に向けて重要な運動だったと考えられます。
特に長距離ランナーは、心肺機能が回復していても、足首周辺の組織が十分な負荷に耐えられるとは限りません。
走れるようになってから、どのように練習量を戻していくかも大切です。
③ 体幹の安定性はランニングフォームにも関係する
ランニングでは、左右の脚が交互に身体を支えています。
つまり、ほとんどの時間で片脚支持を繰り返しているわけです。
このとき、骨盤や体幹の安定性が重要になります。
例えば、骨盤が左右に大きく傾いたり、上半身が過度に揺れたりすると、身体の重心をコントロールするために余分な動きが生じることがあります。
体幹や股関節周囲の筋肉が適切に働くことで、姿勢を安定させ、下肢の動きを効率よく使いやすくなります。
ただし、体幹が安定して見えることと、腹筋などの筋力が強いことは必ずしも同じではありません。
筋力だけでなく、身体を協調して動かす能力も重要です。
本間選手は、もともと走行中の姿勢が安定しているように見える選手です。
そこに今回の補強運動が加わったことで、さらに安定したフォームにつながる可能性もあるのではないかと感じています。
本間香はケガから復帰!9月の日本インカレで5000m2位
約1か月半のランニング休止を経て、本間香選手は2026年9月6日の日本インカレで復帰しました。
女子5000mに出場し、15分58秒20で2位。
復帰レースで表彰台に立つという素晴らしい結果でした。
ただ、本人はこのレースを70点程度と評価し、悔しさの方が大きかったと語っています。
ケガから戻ってきた喜びと、勝負に対する強い気持ちの両方が感じられます。
復帰2戦目では6人抜きの快走!
10月3日の関東大学女子駅伝では、3区の8.6kmを担当しました。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 大会 | 関東大学女子駅伝 |
| 出場区間 | 3区 |
| 距離 | 8.6km |
| 区間タイム | 27分40秒 |
| 区間順位 | 2位 |
| 走行中の順位変動 | 10位から4位へ、6人抜き |
8.6kmは、本間選手にとって当時のロードレースで最長の距離でした。
それでも前半から積極的な走りを見せ、後半もスピードを維持しています。
本人は10月3日時点のコンディションを約85%と表現していました。
完全に調子が戻りきっていないと感じる中での6人抜き。
今後、さらに状態が上がってくれば、どのような走りを見せてくれるのでしょうか。
走れなかった経験が新たな自信に
今回のケガは、本間選手にとって精神的にも大きな経験になったようです。
これまで大きなケガがなかったため、走れることを当たり前に感じていた時期もあったそう。
しかし、走れなくなったことで、改めて走る喜びを実感したと語っています。
そして、長時間のリハビリをやり遂げた経験が、新たな自信につながったのだそうです。
リハビリは身体の機能を回復させるだけではありません。
思うように動けない期間を経て、再び競技に挑戦する気持ちを取り戻していくことも、大切な過程だと思います。
本間選手にとって、今回の経験は今後の競技人生を支えるものになるのかもしれません。
全日本大学女子駅伝2026!本間香の復帰後の走りに注目
2026年10月25日には、第44回全日本大学女子駅伝が開催されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 第44回全日本大学女子駅伝 |
| 開催日 | 2026年10月25日(日) |
| スタート | 12時10分 |
| 開催地 | 宮城県仙台市 |
| 距離 | 全6区間・38.0km |
城西大学は、2025年の全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝で2冠を達成。
今年は連覇を目指す立場で大会に臨みます。
本間香選手もチームエントリーされており、その走りに注目が集まっています。
昨年は1年生で区間新記録を樹立!
2025年の本間選手は、大学1年生ながら驚異的な活躍を見せました。
- 全日本大学女子駅伝:1区20分53秒で区間新記録
- 富士山女子駅伝:2区20分36秒で区間新記録
- 城西大学の2冠達成に大きく貢献
今年はケガを経験し、リハビリを乗り越えて大会を迎えます。
昨年とはまた違った意味で、注目したいレースです。
まとめ|本間香のケガからの復帰と今後の活躍に期待
本間香選手は、2026年5月の関東インカレ後に左足首の炎症を起こし、約1か月半走れない時期を経験しました。
しかし、その間も水泳やエアロバイク、体幹トレーニングなどに取り組み、9月には競技復帰を果たしています。
今回のポイントをまとめます。
- ケガの部位は左足首の下あたり
- 疲労骨折ではなく炎症だった
- 約1か月半、ランニングを休止
- 長い日には1日6時間に及ぶリハビリを実施
- 9月の日本インカレ5000mで2位
- 10月の関東大学女子駅伝で6人抜きの快走
私は昨年、仕事中に偶然テレビで見かけた本間選手の走りに目を奪われました。
飛ぶように軽やかで、何より走ることが楽しくて仕方がないような表情。
その姿がとても印象的で、以来ずっと応援しています。
今回、ケガを乗り越えて走る喜びを再確認したというエピソードを知り、ますます応援したくなりました。
これからも、あの楽しそうな走りを長く見続けたいと思っています。
2026年の全日本大学女子駅伝では、どのような走りを見せてくれるのでしょうか。
本間香選手のさらなる活躍を楽しみにしています!
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