女優の米倉涼子さんが、2019年に公表した「低髄液圧症候群」。
米倉さんは、まっすぐ歩くことも難しくなり、一時は女優引退まで考えるほどの症状に苦しんでいたことを明かしています。
2024年には手術後の回復について語り、身体づくりにも取り組んでいることを報告しました。
そして2026年10月13日放送の『絶景&世界遺産 火曜の良純孝太郎』では、親友の比嘉愛未さんとエジプトを旅する姿が紹介されます。
ところで、低髄液圧症候群とは、いったいどんな病気なのでしょうか。
「どんな症状が出るの?」「治療すれば治る?」「リハビリは必要なの?」と気になる人もいるかもしれません。
この記事では、米倉涼子さんが語った闘病経験を振り返りながら、低髄液圧症候群の症状や治療法、回復期のリハビリについて理学療法士の視点から解説します。
米倉涼子が公表した低髄液圧症候群とは?
米倉涼子さんは2019年に、低髄液圧症候群を患っていることを公表しました。
その後も仕事を続けていましたが、体調面の問題は、女優としての活動にも大きな影響がありました。
2019年に公表!まっすぐ歩けないほどの症状
2024年6月14日放送のNHK『あさイチ』で、米倉さんは闘病生活について詳しく語っています。
当時の症状について、まっすぐ歩けない、立ち上がれない、座っていることさえ難しい状態になることがあったと明かしました。
また、止まっているエスカレーターを歩いているような感覚が続き、自分がどこにいるのかわからなくなることもあったそうです。
外見からはわかりにくい症状ですが、日常生活の基本的な動作にも大きな影響が出ていたことが伝わります。
ドラマ『エンジェルフライト』の撮影では、横になれるベッドを用意してもらいながら仕事を続けていたことも語っています。
2022年には、ブロードウェーミュージカル『CHICAGO』の出演を断念しました。当時の公式発表では、降板の理由は「急性腰痛症および仙腸関節障害による運動機能障害」とされています。
2023年に手術、2024年には回復を報告
米倉さんは2024年6月の『あさイチ』で、2023年に新たな医師と出会い、同年8月に手術を受けたことを明かしました。
そして、2024年5月頃から急に元気になってきたと報告しています。
また、病気について公表した理由には、同じように苦しむ人たちに、回復して元気に活動する姿を見せたいという思いもあったそうです。
ただし、手術の具体的な方法や現在の病状については、本人が明らかにしている範囲を超えて判断することはできません。
低髄液圧症候群とはどんな病気?原因と症状
低髄液圧症候群は、脳や脊髄を取り囲む脳脊髄液の圧力が低下することなどによって、頭痛やめまい、倦怠感などが現れる状態です。
脳脊髄液とは?病気の仕組みをわかりやすく解説
私たちの脳と脊髄は、「脳脊髄液」という透明な液体に囲まれています。
脳脊髄液には、脳や脊髄を衝撃から守り、周囲の環境を保つ役割があります。
この脳脊髄液が何らかの原因で漏れ出すと、脳脊髄液の量や圧力の変化によって、頭痛などの症状が起こることがあります。
特に、立ち上がると症状が強くなり、横になると軽くなる頭痛が特徴的です。
頭痛・めまい・耳鳴りなどの症状
低髄液圧症候群や関連する脳脊髄液漏出症では、次のような症状がみられます。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 頭痛 | 立位や座位で強くなり、横になると軽くなることがある |
| めまい | ふらつきや不安定感が現れることがある |
| 耳鳴り | 耳の中で音が鳴るように感じる |
| 首の痛み | 頸部の痛みやこわばり |
| 吐き気 | 頭痛などに伴って現れることがある |
| 倦怠感 | 強い疲労感や身体のだるさ |
| 聴覚・視覚の症状 | 聞こえ方や見え方に変化が生じることがある |
代表的なのが、起き上がることで悪化する「起立性頭痛」です。
ただし、すべての患者さんに典型的な起立性頭痛が現れるわけではありません。
症状の種類や程度には個人差があります。
低髄液圧症候群と脳脊髄液漏出症の違い
低髄液圧症候群と脳脊髄液漏出症は、関連する病態ですが、厳密には同じ意味ではありません。
低髄液圧症候群は、髄液圧の低下などに伴う症状や病態を指す名称です。
一方、脳脊髄液漏出症は、脳脊髄液が硬膜の外へ漏れ出している状態を指します。
実際には、脳脊髄液が漏れていても、検査で測定した髄液圧が必ずしも低くないケースがあります。
そのため、診断では症状だけでなく、MRIなどの画像検査や専門的な評価が重要になります。
低髄液圧症候群の治療法は?ブラッドパッチとは
低髄液圧症候群や脳脊髄液漏出症の治療は、症状の程度や原因、検査結果などによって異なります。
安静や水分補給などの保存的治療
治療の初期には、安静や水分補給、必要に応じた補液などの保存的治療が行われることがあります。
特に、起き上がることで頭痛が強くなる場合には、無理に活動を続けず、横になって休むことが症状の軽減につながる場合があります。
ただし、長期間の安静がすべての患者さんに必要というわけではありません。
症状が続く場合には、専門医による評価と適切な治療が重要です。
自分の血液を使うブラッドパッチ療法とは?
保存的治療で改善が得られない場合などには、「ブラッドパッチ療法」が検討されます。
正式には「硬膜外自家血注入療法」と呼ばれる治療法です。
患者さん自身の血液を採取し、脊髄を包む硬膜の外側にある硬膜外腔へ注入します。
注入した血液によって、脳脊髄液が漏れている部分を塞ぐ効果などが期待されます。
日本では、一定の診断基準を満たした脳脊髄液漏出症に対して、2016年から保険適用となっています。
なお、米倉涼子さんが2023年に受けた手術について、ブラッドパッチ療法だったと断定することはできません。
治療すれば完治する?再発は?
適切な治療によって症状が改善し、日常生活や仕事に復帰できる人もいます。
一方で、治療後も症状が残ったり、再発したりする場合もあります。
また、頭痛などの症状が改善しても、長期間活動量が減っていた場合には、体力や筋力の低下が残っていることがあります。
病気そのものへの治療と、身体機能を回復させるための支援は、分けて考えることが大切です。
理学療法士が解説!低髄液圧症候群のリハビリと運動の注意点
ここからは、理学療法士の視点から、低髄液圧症候群や脳脊髄液漏出症の回復期における身体の動かし方について考えてみます。
まず大切なのは、リハビリや筋力トレーニングで脳脊髄液の漏出そのものを治すことはできないという点です。
また、この疾患に対して、すべての患者さんに共通して推奨できる運動プログラムが確立されているわけではありません。
運動を再開する時期や内容は、治療経過と主治医の判断によって異なります。
症状が強い時期は運動より治療を優先
起立性頭痛やめまいなどが強い時期には、無理に歩いたり、筋力トレーニングを行ったりすることは適切ではありません。
通常のリハビリでは、寝ている時間が長くなると筋力や体力が落ちるため、早期離床を重視することがあります。
しかし、脳脊髄液漏出症が疑われる場合には、起き上がること自体が症状を悪化させる場合があります。
そのため、一般的な廃用症候群の予防と同じ考え方で、無理に離床を進めることは避ける必要があります。
まずは病状の評価と治療を優先することが大切です。
回復期の歩行・日常生活動作の再開
治療によって症状が落ち着き、医師から活動再開の許可が出た場合には、日常生活動作を少しずつ取り戻していくことが考えられます。
例えば、座る、立つ、室内を歩くといった基本的な動作です。
ただし、活動量を増やす際には、頭痛やめまい、倦怠感などが再び強くならないかを確認する必要があります。
単に「歩けるようになったから大丈夫」と判断するのではなく、活動後の症状も含めて評価することが重要です。
筋力低下や体力低下にはどう対応する?
長期間、活動量が少なくなっていた場合には、下肢の筋力や全身持久力が低下していることがあります。
理学療法では、病状が安定していることを前提に、必要に応じて次のような機能を評価します。
- 座位や立位を保つ能力
- 歩行時の安定性
- 下肢筋力
- 日常生活での疲労の程度
- 活動による症状の変化
こうした評価をもとに、患者さんの状態に合わせて活動量を調整することが考えられます。
ただし、運動によって症状が悪化する場合には、運動量を増やすのではなく、治療状況を再評価することが必要です。
ブラッドパッチ後に避けたい運動とは?
ブラッドパッチ療法の後は、医療機関から一定期間の安静や活動制限を指示されることがあります。
特に、重い物を持ち上げる動作、強い腹圧がかかる運動、身体を大きくひねる動作などについては注意が必要です。
ただし、制限する期間や具体的な内容は、治療方法や患者さんの状態によって異なります。
自己判断で筋力トレーニングやスポーツを再開せず、必ず治療を担当した医師の指示に従いましょう。
米倉涼子は現在どうしている?水泳にも挑戦
米倉涼子さんは、2024年5月の横浜国際映画祭で、以前より元気になったことを報告しています。
また、次の仕事に向けて身体の土台を作り直したいという思いも語っていました。
その一環として挑戦していたのが、水泳です。
米倉さんは、実は泳げないことを明かしながら、ビート板を使って泳ぐ練習をしていると話していました。
理学療法士として注目したいのは、米倉さんが単に以前の活動量へ戻そうとするのではなく、自分の身体づくりに目を向けていたことです。
ただし、水泳が低髄液圧症候群に対する治療やリハビリとして行われていたという意味ではありません。
水泳を含む運動が適しているかどうかは、病状や治療段階によって異なります。
2026年10月13日放送の『絶景&世界遺産 火曜の良純孝太郎』では、比嘉愛未さんとエジプトを旅する姿が紹介されます。
今回のテレビ出演を通して、久しぶりに米倉さんの姿を見る人も多いかもしれませんね。
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まとめ|低髄液圧症候群は適切な治療と回復期の身体管理が大切
今回は、米倉涼子さんが公表した低髄液圧症候群について、症状や治療法、回復期のリハビリを紹介しました。
低髄液圧症候群は、頭痛やめまい、倦怠感など、外見からはわかりにくい症状が現れることのある病気です。
脳脊髄液漏出症が関係している場合には、安静や補液などの保存的治療に加えて、ブラッドパッチ療法が検討されることもあります。
理学療法士の視点から大切だと考えるのは、症状が強い時期に無理に身体を動かさず、病状が安定してから必要に応じて日常生活動作や体力の回復を図ることです。
米倉さんは2024年に体調の改善を報告し、自分の身体づくりにも取り組んでいることを明かしました。
同じ病気で悩んでいる人にとっても、適切な治療につながり、自分の状態に合わせた回復を目指すことが大切ではないでしょうか。
※この記事の医学的な解説は一般的な情報であり、個別の診断や治療、運動の指示を行うものではありません。症状がある場合や治療後の運動再開については、担当医にご相談ください。
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