2026年8月26日放送の『上田と女が吠える夜』に、SixTONESの森本慎太郎さんが出演しました。
今回のテーマは「ワークライフバランス」。
その中で森本慎太郎さんが、ジャニーズJr.時代に「仕事を取られたくない」という不安から、膝の靭帯が伸びた状態でもバックダンサーをやり切ったという驚きのエピソードを明かしました。
「膝の靭帯が伸びたまま踊って大丈夫なの?」
「そもそも“靭帯が伸びる”って、どんなケガ?」
と気になった方もいるのではないでしょうか。
私は理学療法士として約20年、高齢者を中心に身体の動きや関節、筋肉などに関わる仕事をしてきました。
そこでこの記事では、森本慎太郎さんが膝の靭帯を痛めても踊り続けた理由と、「靭帯が伸びる」とはどのような状態なのか、ダンスで膝にかかる負担について、理学療法士の視点も交えてまとめます。
※森本慎太郎さんの実際の診断や当時の膝の状態を医学的に判断するものではありません。番組で紹介されたエピソードをもとに、一般的な膝の靭帯損傷について解説しています。
森本慎太郎は10歳で膝の靭帯が伸びても踊った!
森本慎太郎さんは、ジャニーズJr.時代、膝の靭帯を痛めた状態でもバックダンサーとして踊り切ったことを『上田と女が吠える夜』で明かしました。
当時、森本さんはまだ10歳だったそうです。
なぜ、ケガをしてまで踊り続けたのでしょうか。
森本さんが語ったのは、「東山紀之さんと2人で踊る」というまたとない機会だったこと。
さらに当時は「お前の代わりなんていくらでもいる」と言われてきたこともあり、休めばほかの人に仕事を取られてしまうという思いがあったそうです。
それでも「自分が出たい」と思い、泣きながら踊り切ったことを明かしました。
現在ではSixTONESのメンバーとして活躍する森本さんですが、10歳の子どもにとって「休む」という選択は、単に一日の仕事を休むという感覚ではなかったのでしょう。
ほかの出演者のエピソードと比べて自分の話は「弱い」と言いながらも、最後には「根性あります!」と笑顔を見せた森本さん。
しかし理学療法士として身体のことを考えると、膝の靭帯を痛めた状態で踊り続けることには、やはり気になる点があります。
森本慎太郎の「膝の靭帯が伸びた」とはどんなケガ?
番組の紹介では、森本慎太郎さんについて「膝の靭帯が伸びた状態」と表現されています。
ここで注意したいのが、
「靭帯が伸びた=軽い捻挫」とは限らない
ということです。
靭帯は、骨と骨をつなぎ、関節が必要以上に動かないよう安定させる役割を持つ組織です。
膝には、
- 前十字靭帯(ACL)
- 後十字靭帯(PCL)
- 内側側副靭帯(MCL)
- 外側側副靭帯(LCL)
など、関節を安定させる重要な靭帯があります。
一般的に「靭帯が伸びた」という言葉が使われることがありますが、これは正式な診断名ではありません。
実際には靭帯に強い力が加わることで、微細な損傷から部分断裂、完全断裂までさまざまな程度の損傷が起こります。
そのため、「伸びた」という言葉だけから、森本さんがどの靭帯をどの程度損傷していたのかを判断することはできません。
「靭帯が伸びたから軽症だった」と決めつけることもできないということですね。
「靭帯が伸びた=Ⅰ度の捻挫」とは限らない
捻挫や靭帯損傷は、その程度によってⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度などに分類されることがあります。
一般的には、
- Ⅰ度:靭帯の軽微な損傷
- Ⅱ度:靭帯の部分的な損傷
- Ⅲ度:靭帯の完全断裂
などと表現されます。
ただし、本人が「靭帯が伸びた」と話しているからといって、それだけで**「Ⅰ度の軽い捻挫だった」と判断することはできません。**
日常会話では、靭帯損傷について医師から説明を受けた際にも「靭帯が伸びた」「靭帯を痛めた」など、分かりやすい言葉に置き換えて表現することがあります。
当時の診断名や検査結果などが分からない以上、森本さんのケガの程度については推測しない方がよいでしょう。
大切なのは、「踊れた=膝に問題がなかった」というわけではないことです。
理学療法士が考える「膝を痛めたままダンスする」身体への負担
理学療法士として個人的に気になったのが、膝の靭帯を痛めた状態で「バックダンサーをやり切った」という部分です。
ダンスでは、ただ立ったり歩いたりする以上に膝へさまざまな方向から力が加わります。
たとえば、
- ジャンプからの着地
- 急な方向転換
- 片脚で身体を支える動作
- 膝を曲げた状態でのひねり
- 急停止から再び動き出す動作
などです。
靭帯はこうした動作の中で、膝が必要以上にずれたり、ねじれたりするのを防ぎ、関節を安定させる役割を担っています。
その靭帯を傷めている状態で激しいダンスを続ければ、損傷の程度によっては痛みが強くなったり、膝の不安定感が生じたり、再び負傷したりする可能性も考えられます。
また、痛い場所を無意識にかばうことで、本来とは違う身体の使い方になることもあります。
反対側の脚や股関節、足関節など、別の場所へ負担がかかることも考えられるでしょう。
そのため、スポーツやダンスへの復帰では、単に「動ける」「痛みを我慢できる」だけではなく、損傷の程度や関節の安定性、筋力、実際の動作などを確認しながら段階的に負荷を上げていくことが大切です。
「10歳だった」という点もPTとして気になる
さらに今回、理学療法士として気になったのが、森本さんが当時10歳だったということです。
10歳頃はまだ身体が成長途中で、骨には成長に関わる「骨端線(成長軟骨)」が残っています。
そのため、子どもの関節外傷は成人とまったく同じようには考えられず、靭帯だけでなく骨や成長軟骨などの損傷にも注意が必要です。
もちろん、森本さんが当時どのような診断を受け、その後どのような治療やケアを受けたのかは分かりません。
現在も森本さんはダンスを含め精力的に活動されています。そのため、今回のエピソードだけから「10歳のときのケガが現在の膝に影響している」などと考えることもできません。
ただ、成長期の子どもが膝を痛めた状態で激しい運動を続けることは、やはり身体の面からはおすすめできない行動です。
森本慎太郎が膝を痛めても踊ったエピソードに思うこと
「膝の靭帯を痛めても最後まで踊った」と聞くと、森本慎太郎さんの子供のころからの根性やプロ意識に驚かされます。
一方、理学療法士としては、ケガを押して踊ること自体を「すごいこと」としておすすめすることはできません。
むしろ今回印象的なのは、10歳の森本さんがそこまでして踊らなければならないと思うほど、「仕事を取られたくない!」という想いが強かったことなのではと思いました。
現在の活躍だけを見ていると想像しにくいですが、華やかなステージの裏側では、若い頃からそれほど厳しい競争の中で仕事と向き合っていたことが伝わってきます。
身体を守るという意味では、本来ケガをしたときには適切な評価や治療、必要な休養を取ることが大切です。
だからこそ私は、このエピソードを単純に「ケガをしても踊り切った森本慎太郎さんはすごい!」だけで終わらせるのではなく、そこまで無理をしてでも仕事を失いたくなかった当時の森本さんの気持ちにも注目したいと思いました。
まとめ
今回は、『上田と女が吠える夜』で紹介された森本慎太郎さんの「膝の靭帯が伸びても東山紀之さんのバックダンサーをやり切った」というエピソードについてまとめました。
森本さんがケガをしても踊った背景には、Jr.時代の「他の人に仕事を取られたくない」という強い不安があったようです。
一方、「膝の靭帯が伸びた」という表現だけでは、実際にどの靭帯をどの程度損傷していたのかは分かりません。
そしてダンスは、ジャンプや着地、方向転換、ひねりなど、膝の安定性が求められる動作の連続です。
ケガをした状態で踊り切ったことは驚きですが、身体の面から考えれば、ましてや10歳という年齢から、決して「我慢して動けば大丈夫」ということではありません。
番組で笑顔で語った「根性あります!」という言葉の裏には、10歳の頃から仕事と真剣に向き合ってきた森本慎太郎さんの姿があったのですね。
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