2026年7月放送の『マツコの知らない世界』では、世界を沸かせる男子バレーボールが特集されます。
現在の男子日本代表は、世界ランキング上位の強豪国を次々と撃破し、「なぜ日本はここまで強くなったの?」と驚く声も増えています。
海外チームと比べると、平均身長では決して有利とは言えない日本代表。
それでも世界トップレベルと互角以上に戦える理由はどこにあるのでしょうか。
理学療法士として身体の動きを分析する視点から、日本代表の強さを支える「全員バレー」の秘密を考察します。
男子バレー日本代表はなぜ世界で勝てる?
現在の日本代表の最大の特徴は、一人のエースだけに頼らない「全員バレー」です。
誰が攻撃するか最後まで分からないスピード感あふれる攻撃に加え、世界トップクラスのレシーブ力や粘り強いディフェンスで試合の流れを引き寄せています。
さらに、途中出場の選手も高いレベルでプレーできるため、試合中に戦術を柔軟に変えられることも大きな強みです。
世界の高さやパワーに対して、日本は「スピード」「連携」「判断力」で勝負していると言えるでしょう。
「全員バレー」とは?
全員バレーとは、攻撃も守備も特定の選手だけに頼るのではなく、コートに立つ全員が役割を果たしながら得点を目指す日本代表のスタイルです。
攻撃では、複数のスパイカーが同時に助走へ入り、相手ブロッカーに「誰が打つのか」を最後まで読ませません。
セッターは一瞬で状況を判断し、最適な選手へトスを供給します。
このスピード感と連携は、日本代表が長年磨いてきた武器の一つです。
日本代表のスピードあるコンビ攻撃や、複数の選手が同時に助走へ入るプレーは、バレーボール漫画の金字塔である『ハイキュー!!』でも印象的に描かれています。
実際には、漫画のために作られた架空の戦術ではなく、日本バレーが長年磨いてきたスピードと連携を生かした攻撃がモデルとなっています。そのため、試合を観戦すると「ハイキュー!!で見たプレーだ!」と感じる場面も少なくありません。
理学療法士が考える、日本代表が強い3つの理由
バレーボールネーションズリーグでは、日本代表は開幕から負け無しの8連勝と圧倒的な強さをみせ、予選ラウンドを首位争いする大活躍を繰り広げています。
日本代表が強い理由を見ていきましょう。
① 低い姿勢を維持できる体幹の強さ
バレーボールでは、レシーブやディグの場面で低い姿勢を素早く作り、そのまま安定して動き続ける必要があります。
そのためには腹筋や背筋だけではなく、お尻や股関節周囲の筋肉まで含めた体幹機能が重要です。
日本代表は姿勢が崩れにくく、次のプレーへ素早く移れることが特徴です。
② ジャンプと着地を繰り返す切り替え能力
スパイクやブロックでは何度もジャンプを繰り返します。
しかし、重要なのは高く跳ぶことだけではありません。
着地した瞬間から次の動きへ切り替える能力が高いことで、守備から攻撃、攻撃から守備への移行が非常にスムーズになります。
これは筋力だけでなく、神経と筋肉が連動するコーディネーション能力の高さも関係しています。
③ 全員が同じタイミングで動ける「判断力」
全員バレーでは、複数の選手が同時に助走へ入り、瞬時に状況を判断しながらプレーします。
一人でもタイミングがずれると攻撃は成立しません。
つまり、高い身体能力だけではなく、
- 周囲を見る視野
- 一瞬で判断する力
- 仲間とのタイミングを合わせる能力
これらが高いレベルで備わっているからこそ、日本代表のスピードバレーは世界でも通用しています。
身長差を覆す日本代表の強さ
海外の強豪国には2メートルを超える選手も珍しくありません。
例えば、男子バレーボールにおける日本代表とフランス代表の平均身長には、約8cmの大きな体格差があります。
直近の主要国際大会(パリオリンピックなど)における両チームの平均身長と主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 日本代表 | フランス代表 |
|---|---|---|
| 平均身長 | 約190.4cm | 約198.3cm |
| 主な特徴 | 2m超えの選手が非常に少ない。 | ほぼすべてのポジションに2m前後の大型選手が揃う。 |
一方、日本代表は高さだけで勝負するのではなく、
- 素早い攻守の切り替え
- 粘り強いレシーブ
- スピードあるコンビ攻撃
- 全員で戦うチーム力
によって世界トップレベルと互角に戦っています。
さらに番組では、古賀紗理那さんが、日本人選手は身長が低い分、ブロックの裏やワンタッチしたボールまで拾うことが日常的であり、リベロを中心とした守備力の高さにつながっていることを紹介していました。
理学療法士の視点から見ると、このように広い範囲のボールを日常的に追い続ける経験は、相手の攻撃を先読みするフィードフォワード(予測的制御)を養うことにもつながるのではないかと感じました。
ボールが飛んでから反応するだけではなく、「次はここへ来る」という予測をもとに身体を先に準備できるため、一歩目の反応速度や守備範囲の広さにもつながっているのかもしれません。
また番組では、身長で海外勢に及ばないからこそ、技術やプレーの質で勝負できるチームづくりを続けたフィリップ・ブラン監督についても紹介されました。
中垣内祐一監督が招聘したブラン監督は、日本代表に世界基準の技術や戦術を浸透させ、現在の強さの土台を築いた人物の一人と言われています。
身体能力だけではなく、戦術や連携、そして一人ひとりの判断力が、日本代表の大きな武器と言えるでしょう。
髙橋藍選手が世界で評価される理由
髙橋藍(たかはし らん)選手は、京都の東山高校では春高優勝を経験し、キャプテンとしてチームをけん引。
高校時代から攻守のバランスが取れたオールラウンダーとして注目されていました。
① 攻守のバランスが世界トップクラス
髙橋藍選手は、強烈なスパイクだけでなく、レシーブやサーブレシーブでも高く評価されています。
アウトサイドヒッターは攻撃だけではなく守備でもチームを支えるポジションですが、髙橋選手は攻守ともに高いレベルでプレーできることが世界で評価される大きな理由です。
イタリアでのプレーを通じて守備力にもさらに磨きがかかり、日本代表の安定感を支える存在となっています。
② 世界最高峰・イタリアで鍛えられた判断力
髙橋選手は大学在学中から世界最高峰リーグの一つであるイタリア・セリエAへ挑戦しました。
高さやパワーで勝る海外選手と日々対戦する中で、攻撃力だけでなく、一瞬で状況を判断する力やプレーの選択肢が大きく成長したと語っています。
また、イタリアでは監督やチームメートと積極的に意見を交わす文化にも刺激を受け、プレー面だけでなくコミュニケーション面でも成長したそうです。
③ 理学療法士が考える「無駄のない動き」
理学療法士の視点から見ると、髙橋選手の特徴はジャンプ力だけではありません。
レシーブから攻撃への切り替えが非常に速く、低い姿勢でも体幹がぶれにくいため、次のプレーへスムーズにつなげられます。
また、相手の動きを先読みする予測能力や、最後まで身体のバランスを崩さずにプレーできる姿勢制御能力の高さも、世界で評価される理由の一つだと感じます。
髙橋藍選手が世界で評価される理由は、高いジャンプ力だけではありません。
攻守両面でチームに貢献できる総合力、そして海外リーグで磨かれた判断力やプレーの質が、世界トップレベルの評価につながっています。
番組では、髙橋藍選手の「フェイクセット」も紹介されました。
フェイクセットとは、スパイクを打つと見せかけて、直前で味方にトスを上げるプレーです。
理学療法士の視点から見ると、このプレーが難しいのは、ジャンプ中に相手ブロックや味方の位置を判断し、身体の向きや腕の動きを一瞬で切り替える必要がある点です。
つまり、髙橋藍選手はジャンプ力や攻撃力だけでなく、空中で状況を判断する能力や体幹の安定性、相手を惑わせるプレーの選択肢の豊富さにも優れた選手だと言えるでしょう。
こうした総合力があるからこそ、自ら得点を狙うだけでなく、味方の得点機会を生み出す「全員バレー」の中心選手として、世界でも高く評価されているのだと感じました。
まとめ
男子バレー日本代表が世界で勝てる理由は、単にジャンプ力や筋力が優れているからではありません。
全員で攻守に関わる「全員バレー」と、高い判断力、そして素早い身体の使い方が組み合わさることで、世界の強豪国とも互角以上に戦えるチームになっています。
『マツコの知らない世界』では、男子バレーの魅力や戦術にも注目が集まりそうです。
放送後は、番組で紹介された内容や注目選手についても追記していきます。


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