2026年9月に開催される愛知・名古屋アジア大会。
競技を見ていて、ちょっと意外な名前が目に入りました。
「SASUKEがアジア大会の競技になるの?」
TBS系で長年放送されてきた、あの『SASUKE』を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
実は、アジア大会でテレビ番組の『SASUKE』そのものが行われるわけではありません。
近代五種の一種目として、SASUKEとも深い関係のある**「オブスタクル」**が実施されます。
しかも、このオブスタクルは2028年ロサンゼルス五輪の近代五種にも採用。
日本のテレビ番組として始まったSASUKEは、海外では「Ninja Warrior」として知られ、世界へと広がってきました。
いつの間に、SASUKEは世界的なスポーツへとつながっていったのでしょうか。
今回は、日本発のSASUKEとアジア大会の関係、ロス五輪への採用、そして世界に広がった理由について調べました。
日本発SASUKEが2026年アジア大会の競技に!
2026年の愛知・名古屋アジア大会では、近代五種で**「オブスタクル」**が実施されます。
「アジア大会にSASUKEが登場する」と聞くと、テレビ番組と同じセットで競技するようにも思えますが、正確には少し違います。
正確には近代五種の「オブスタクル」
近代五種は、その名の通り複数の能力を競うスポーツです。
2026年アジア大会では、
- フェンシング
- オブスタクル
- 水泳
- レーザーラン(ランニング+射撃)
によって争われます。
このうち、障害物を次々と攻略していくのがオブスタクルです。
SASUKEや海外版の「Ninja Warrior」などを思わせる障害物競技で、国際近代五種連合(UIPM)が新たな種目として導入しました。
つまり、
「SASUKEそのものがアジア大会の正式競技になった」
というより、
「SASUKEとも深いつながりを持つオブスタクルが、近代五種の一種目になった」
と考えると分かりやすそうです。
アジア大会のオブスタクルはSASUKEと何が違う?
テレビの『SASUKE』とスポーツ競技のオブスタクルには、共通する部分がある一方で違いもあります。
| SASUKE | オブスタクル | |
|---|---|---|
| ルーツ・位置づけ | 日本発のテレビ番組 | 国際的な障害物競技 |
| 内容 | 複数の障害物を攻略 | 障害物をクリアしながら競う |
| 勝負 | ステージ攻略・完全制覇を目指す | 競技ルールに基づきタイムなどを競う |
| アジア大会 | SASUKEそのものではない | 近代五種の一種目として実施 |
| ロス五輪 | SASUKEそのものではない | 近代五種の一種目として実施予定 |
見た目は「SASUKEみたい!」と感じても、テレビ番組をそのまま国際大会へ持ってきたわけではないということですね。
SASUKEはいつから「スポーツ」になった?
そもそもSASUKEは、最初から国際スポーツとして作られたものではありません。
始まりは日本のテレビ番組でした。
1997年に日本でSASUKEが誕生
『SASUKE』が日本で初めて放送されたのは1997年。
巨大な障害物に挑戦し、完全制覇を目指す番組として始まりました。
走る、跳ぶ、つかむ、ぶら下がる、登る。
挑戦者が自分の身体一つで難関に挑んでいく姿は、現在まで長く支持されています。
そしてSASUKEは日本だけにとどまらず、海外へ。
各国で番組フォーマットが展開され、**「Ninja Warrior」**の名称でも知られるようになりました。
日本で生まれたSASUKEが、「忍者」の名前をまとって世界へ広がっていったのは面白いところです。
2022年に近代五種への導入テストが始まる
SASUKE型の障害物が近代五種と大きく結びついたのが2022年です。
近代五種では、それまで行われていた馬術に代わる新しい種目を検討。
その候補としてオブスタクルのテストが始まりました。
テストイベントでは、SASUKEを制作・放送してきたTBSも協力しています。
そして2022年11月、UIPMの総会でオブスタクルの採用が承認されました。
その後、年代別の国際大会などで導入され、2025年からはシニアの近代五種でも馬術に代わってオブスタクルが行われています。
つまり、2026年になって突然「アジア大会にSASUKEがやってきた」というわけではありません。
数年をかけて国際競技としての仕組みが整えられてきたことになります。
なぜSASUKEは世界に広がった?
日本のテレビ番組として始まったSASUKE。
それが海外でも知られるようになり、国際スポーツの発展にまで影響を与えたのはなぜなのでしょうか。
海外では「Ninja Warrior」として人気に
SASUKEは海外でも放送・番組化され、**「Ninja Warrior」**の名前で広く知られるようになりました。
「Ninja=忍者」は、日本を連想させる言葉として海外でも知られています。
SASUKEの挑戦者が見せる、
走る・跳ぶ・つかむ・登る
といったダイナミックな動きと、「Ninja」というイメージの相性も良かったのかもしれません。
日本生まれの番組が海外へ渡り、「Ninja Warrior」として各地に定着していったことが、現在の世界的な広がりにつながっています。
言葉が分からなくても面白さが伝わる
SASUKEが国境を越えやすかった理由の一つとして考えられるのが、見れば何を競っているのか分かりやすいことです。
高い壁を登れるのか。
ぶら下がったまま次の障害物へ移れるのか。
水に落ちずに最後までたどり着けるのか。
複雑なルールを知らなくても、挑戦者が成功したのか失敗したのかが一目で分かります。
さらに、体格や筋力だけでは結果が決まらず、技術やバランス、スピード、判断力などさまざまな能力が必要です。
「次はクリアできるのか?」
という緊張感を世界中の人が共有できることも、SASUKE型の競技が広がった理由の一つなのかもしれません。
SASUKEはロス五輪にも採用される?
さらに驚くのが、2028年ロサンゼルス五輪です。
ロス五輪の近代五種でも、馬術に代わってオブスタクルが実施される予定です。
ただし、ここでも注意したいのが、
「SASUKEという競技がオリンピック種目になった」わけではない
ということ。
正式には、近代五種を構成する種目の一つとしてオブスタクルが採用されています。
とはいえ、そのオブスタクルの発展にSASUKEやNinja Warriorが関わってきたことを考えると、
日本で生まれたテレビ番組のアイデアが、形を変えながらオリンピックの舞台へつながっていった
ともいえそうです。
1997年のSASUKE誕生当時、ここまでの展開を想像した人は少なかったのではないでしょうか。
なぜ近代五種は「馬術」からオブスタクルに変わった?
では、そもそもなぜ近代五種にオブスタクルが入ることになったのでしょうか。
近代五種では長年、馬術が行われていました。
大きな転機となったのが2021年の東京五輪です。
女子近代五種の馬術で、ドイツ代表選手の馬が障害を拒否。
その際、ドイツチームのコーチが馬を拳でたたく様子が問題となり、コーチは大会から除外されました。
その後、UIPMは馬術に代わる新種目の検討を進め、オブスタクルのテストへ。
2022年には実際のテスト大会が行われ、正式採用へと進みました。
近代五種の長い歴史の中でも、大きなルール変更だったことが分かります。
そして、その新しい種目の発展に関わったものの一つが、日本で生まれたSASUKEでした。
理学療法士の視点|SASUKE型競技は何がすごい?
理学療法士としてSASUKE型の動きを見ていて面白いと感じるのは、単純に「筋力が強ければ勝てる競技」ではないことです。
もちろん、身体を支える上肢の筋力や握力は重要です。
しかし、ぶら下がった状態から次の障害物へ移るには、肩甲帯や体幹を使って身体をコントロールしながら、適切なタイミングで重心を移動させる必要があります。
さらに、走って障害物へ飛び移る場面では下肢の瞬発力、着地ではバランス能力も求められます。
次々と違う課題が現れるため、
筋力・瞬発力・敏捷性・バランス・身体を空間の中でコントロールする能力
などを総動員する競技といえそうです。
そして、疲労した状態でも次の障害物に合わせて身体の使い方を瞬時に切り替えなければなりません。
「SASUKEを見ると、鍛え抜かれた筋肉に目が行く」
という方も多いと思いますが、実際には自分の身体をどれだけ正確に操れるかという部分も大きな見どころではないでしょうか。
アジア大会のオブスタクルを見る際にも、選手が障害物ごとにどのように身体の使い方を変えているのかに注目すると、また違った面白さがありそうです。
まとめ|日本のSASUKEが世界のスポーツへ
今回は、2026年アジア大会に登場するオブスタクルとSASUKEの関係、さらにロス五輪や世界への広がりについて調べました。
SASUKEの歩みを大きく見ると、
1997年:日本で『SASUKE』誕生
↓
海外で「Ninja Warrior」として展開
↓
2022年:近代五種でオブスタクルの導入テスト
↓
近代五種の正式種目へ
↓
2026年:愛知・名古屋アジア大会
↓
2028年:ロサンゼルス五輪
という流れになります。
「アジア大会にSASUKE?」
最初はそんな驚きから調べ始めましたが、実際には日本で生まれたテレビ番組が世界へ広がり、そのノウハウや文化が国際スポーツの発展にもつながっていました。
海外では「Ninja Warrior」として親しまれているのも、日本発のコンテンツらしくて面白いところ。
長年テレビで見てきたSASUKEを思い浮かべながら、2026年アジア大会の「オブスタクル」に注目してみるのも面白そうです。
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