2026年北中米W杯で、再び世界を驚かせているモロッコ代表。
ラウンド32では強豪オランダ代表をPK戦の末に撃破し、続くカナダ代表戦も3-0で快勝。見事ベスト8進出を決めました。
2022年カタールW杯でアフリカ勢初のベスト4入りを果たしたことは記憶に新しいですが、今回の躍進を見ていると、「モロッコって今の日本代表と少し似ている?」と感じたサッカーファンも多いのではないでしょうか。
実際にチームの作り方や戦い方を見ると、日本代表とモロッコ代表には驚くほど多くの共通点があります。
今回は理学療法士の視点も交えながら、モロッコ代表が強い理由と、日本代表と似ていると言われる5つの理由を考察します。
モロッコ代表はなぜ強い?日本代表と似ている5つの理由
① 欧州組中心のチーム構成になっている
現在のモロッコ代表の主力選手の多くは、ヨーロッパのトップリーグでプレーしています。
例えば、DFのアクラフ・ハキミ選手は世界最高クラスの右サイドバックとして活躍しており、MFブラヒム・ディアス選手やMFソフィアン・アムラバト選手なども欧州の強豪クラブで経験を積んできました。
これは現在の日本代表と非常によく似ています。
かつての日本代表が「Jリーグ選抜」だった時代から、「欧州組中心の代表チーム」へ変化したように、モロッコもまた欧州の育成環境を活用しながら世界と戦うチームへと進化しました。
世界最高レベルの環境で日常的にプレーする経験が、代表チーム全体の基準を押し上げている点は、日本とモロッコの大きな共通点だと感じます。
② 組織力をベースに戦うチームである
モロッコ代表というと、個人技やドリブル突破のイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし実際には、現在のモロッコ代表の最大の武器は組織的な守備です。
全員がコンパクトな陣形を維持し、相手に中央を使わせない。
そしてボールを奪った瞬間に一気に前線へ運ぶ高速カウンターを得意としています。
2022年カタールW杯でも、スペイン代表やポルトガル代表といった優勝候補を相手に、この戦い方で勝利を重ねました。
日本代表もまた、組織的な守備と素早い攻守の切り替えを武器に世界と戦っています。
「個人能力だけでは世界と戦えないからこそ、チームとして戦う。」
この発想は、現在のモロッコ代表と日本代表に共通する部分なのかもしれません。
③ サイドアタックが攻撃の生命線
モロッコ代表は、世界屈指の右サイドバックであるアクラフ・ハキミ選手を中心に、サイドから一気に試合を動かすチームです。
一方、日本代表も三笘薫選手や伊東純也選手、堂安律選手など、サイドの突破力を武器に得点機会を作ってきました。
現代サッカーでは中央を崩すことが非常に難しくなっており、サイドの質がそのままチームの攻撃力につながる時代になっています。
モロッコと日本は、ともにサイドアタックを攻撃の起点としているチームと言えるでしょう。
④ 海外にルーツを持つ選手を積極的に活用している
モロッコ代表には、フランスやベルギー、オランダなどヨーロッパ生まれの選手が数多く所属しています。
モロッコ系移民の子どもたちが欧州で育ち、そのままモロッコ代表を選択するケースが増えているためです。
一方、日本代表も近年は多様なルーツを持つ選手が増えています。
国際化が進む現代サッカーでは、国籍だけでなく、「どの代表でプレーしたいか」というアイデンティティも重要な要素になっています。
多様な文化やサッカー観を取り込めることは、今後の日本代表にとっても大きな武器になるのかもしれません。
⑤ 格上相手に力を発揮する「トーナメント力」がある
日本代表とモロッコ代表に共通する特徴として、「格上相手に強い」ことが挙げられます。
日本代表はドイツ代表やスペイン代表を破るなど、世界の強豪国相手に結果を残してきました。
そしてモロッコ代表も、スペイン代表やポルトガル代表、さらには今回のオランダ代表戦でも結果を残しています。
強豪国と比べるとボール保持率では劣る試合も少なくありません。
しかし、限られたチャンスを確実に仕留め、試合終盤まで集中力を切らさない勝負強さがあります。
この「トーナメントを勝ち抜く力」は、現在のモロッコ代表が世界中から高く評価される理由のひとつだと感じます。
理学療法士が感じるモロッコ代表と日本代表の違い
理学療法士として試合を見ていて感じる最大の違いは、「接触プレーへの強さ」です。
モロッコ代表の選手たちは、身体をぶつけられても姿勢が崩れにくく、股関節や体幹を使った重心コントロールが非常に優れています。
球際で押し負けない下半身の強さや、接触後も次のプレーへ移れるバランス能力は世界トップクラスだと感じます。
一方で、日本代表も近年は確実にフィジカル面が向上しています。
鈴木彩艶選手や佐野海舟選手、板倉滉選手などは、世界基準でも十分戦える身体能力を持っています。
個人的には、日本代表は「世界と戦える段階」から、「世界に勝つための身体づくり」を追求する段階へ入っているようにも感じています。
モロッコ代表の現在地は、日本代表が数年後に目指すひとつの理想像なのかもしれません。
まとめ
今回は、モロッコ代表が強い理由と、日本代表と似ていると言われる5つの理由について、理学療法士の視点から考察しました。
欧州組中心のチーム構成、組織的な守備、サイドアタック、多様なルーツを持つ選手たち、そして格上相手にも臆することなく戦う勝負強さ。
モロッコ代表と日本代表には、想像以上に多くの共通点があります。
一方で、球際の強さや接触プレーへの対応力、試合を決め切る個の能力には、まだ差を感じる部分もあります。
だからこそ、モロッコ代表の戦い方は、日本代表が今後さらに世界の上位へ進むための大きなヒントになるのかもしれません。
ただ、結果がすべてのサッカーではありますが、個人的には、モロッコ代表は日本代表の数年先を走っているチームというより、今回はモロッコが結果を出した大会だった、という見方をしたいところです。
日本代表もすでに世界の強豪国と互角に戦える段階に来ています。
あとは、トーナメントの一発勝負で勝ち切る力、そして最後の一歩を結果につなげる勝負強さ。
その差をどう埋めていくのかが、今後の日本代表にとって大きなテーマになるのかもしれません。
次のフランス戦で、モロッコ代表がどのような戦いを見せるのか。
日本代表の未来を重ねながら、注目して見守りたいと思います。


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