2026年W杯の日本対スウェーデン代表戦で、前田大然選手が見事なゴールを決めました。
堂安律選手のアシストも本当に素晴らしかったですが、理学療法士の視点で見ると、前田選手が何度も相手DFの裏を取り続けていたことが印象的でした。
「前田大然って、なぜあんなに足が速いの?」
「速いだけじゃなく、なぜあんなに効くの?」
そう感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は、前田大然選手の足の速さやスプリント能力について、理学療法士の視点から分かりやすく解説します。
前田大然はなぜ足が速い?
前田大然選手といえば、圧倒的なスピードと運動量が武器の選手です。
一瞬で相手DFの背後に抜け出すスプリント、前線から何度も追いかけ続ける守備、そして90分間落ちにくい運動量。
単純に「足が速い選手」というだけでなく、その速さを試合の中で何度も使えるところが、前田選手の大きな特徴です。
今回のスウェーデン戦でも、前田選手は何度も最終ラインの裏へ走り続けていました。
そして、堂安律選手からの絶妙なパスに反応し、見事にゴール。
アシストの質も素晴らしかったですが、前田選手がそれまで何度も裏を取り続けていたからこそ、相手DFにとっては対応しづらい状況が生まれていたように感じます。
理学療法士が見る前田大然の速さ① 前傾姿勢が鋭い
前田大然選手の走りでまず印象的なのが、ダッシュ時の前傾姿勢です。
走るという動作は、簡単に言うと「前に倒れそうになる身体を、脚で受け止め続ける動き」です。
前田選手は、この前に倒れる力をとても上手に使っているように見えます。
理学療法では、身体の中心の位置を「重心」と呼びます。
前田選手はダッシュの入りで重心を前に運ぶのが非常に速く、身体が前へ引っ張られるように加速していきます。
そのため、一歩目からスピードに乗りやすいのです。
さらに、地面を後ろに押す力を、前へ進む力に変えるのがとても上手い選手だと感じます。
この地面から返ってくる力を「床反力」と呼びます。
前田選手は、ただ脚力で走っているというより、重心移動と床反力を効率よく使って前へ進んでいる印象です。
理学療法士が見る前田大然の速さ② 足の回転が速い
前田選手の走りは、大きなストライドでゆったり走るタイプというより、足の回転数が非常に高いタイプに見えます。
サッカーでは、相手DFとの駆け引きの中で、止まる・走る・方向を変える動きが何度も必要になります。
そのため、陸上の100m走のように長い距離を一直線に走る速さだけではなく、短い距離で一気に加速できる能力が重要です。
前田選手は、股関節を前に振る動きと後ろに送る動きの切り替えが非常に速い印象があります。
足が地面についている時間も短く、バタバタして見えにくい。
だからこそ、まるで滑るように相手DFの背後へ抜け出していきます。
この「一瞬でトップスピードに近づく速さ」が、前田選手のスプリントの大きな武器だと思います。
理学療法士が見る前田大然の速さ③ 90分間走り続けられる
前田大然選手のすごさは、速いだけではありません。
そのスピードを試合中に何度も繰り返せるところです。
一般的に、爆発的なスピードを出す動きは疲労しやすいものです。
しかし前田選手は、攻撃で裏へ抜けるだけでなく、守備でも前線から何度も相手にプレッシャーをかけ続けます。
この運動量を支えているのは、心肺機能の高さや、無駄の少ない身体の使い方だと考えられます。
スプリントのたびに全力で力みすぎるのではなく、必要な瞬間に一気に加速する。
そして、走り終わった後も次のプレーへすぐ移れる。
この切り替えの速さも、前田選手の大きな魅力です。
前田大然の速さは「戦術」になる
今回のスウェーデン戦を見ていて感じたのは、前田選手の速さは単なる個人能力ではなく、日本代表の戦術そのものになっているということです。
前田選手が何度も裏へ走ることで、相手DFはラインを上げにくくなります。
相手の最終ラインが少し下がると、日本の中盤やサイドにスペースが生まれます。
つまり、前田選手はボールを受けていない場面でも、相手守備陣を動かしているのです。
堂安律選手のアシストはもちろん見事でした。
ただ、そのパスコースを生み出した背景には、前田選手が何度も裏を取り続けたランニングがあったように感じます。
「速い選手」と「守備を動かせる選手」は、似ているようで少し違います。
前田選手は、速さによって相手DFの重心や守備ラインを動かせる選手。
だからこそ、相手にとって非常に嫌な存在なのだと思います。
同じような戦術の相手だからこそ前田大然が効いた?
日本とスウェーデンは、どちらもコンパクトに守りながら、前線からの守備や切り替えを大切にするチームという印象があります。
そのため、試合の中では「どちらが先に相手の守備ブロックを崩すか」が大きなポイントになっていました。
その中で、堂安律選手と前田大然選手の関係性は非常に効果的でした。
堂安選手が前を向いた瞬間に、前田選手が裏へ走る。
前田選手が裏を狙うことで、堂安選手にもパスやドリブルの選択肢が生まれる。
この2人の連動が、スウェーデン守備陣にとってかなり脅威になっていたように見えます。
前田大然の速さは空間認知能力もすごい
前田大然選手の速さは、脚力だけではありません。
「いつ走るか」
「どこへ走るか」
「相手DFの背後が空く瞬間はどこか」
この判断がとても優れています。
どれだけ足が速くても、走り出すタイミングが早すぎればオフサイドになります。
逆に遅すぎれば、相手DFに対応されてしまいます。
前田選手は、相手DFの視線や重心、最終ラインの動きを見ながら、絶妙なタイミングで裏へ抜け出します。
理学療法士として動作を見るときも、身体能力だけでなく、周囲の状況をどう認識して動いているかはとても大切です。
前田選手の場合、スピード・重心移動・空間認知能力が組み合わさっているからこそ、世界レベルの武器になっているのだと思います。
理学療法士のひとこと
前田大然選手のような異次元のスプリントは、簡単に真似できるものではありません。
ただ、一般のスポーツやランニングでも、「力任せに走る」のではなく、重心を前へ運ぶ意識はとても大切です。
走るときに上半身が起きすぎていると、前へ進む力が逃げてしまうことがあります。
逆に、前へ倒れ込むような感覚を少し持つと、脚だけで頑張らなくてもスムーズに進みやすくなります。
もちろん、前傾しすぎると転倒やケガのリスクもあるため、無理にフォームを真似する必要はありません。
前田選手のすごさは、身体の使い方だけでなく、それを試合中に何度も繰り返せるコンディションと判断力にあります。
まとめ
前田大然選手が足が速い理由について、理学療法士の視点から解説しました。
前田選手の速さは、単なる脚力だけではありません。
鋭い前傾姿勢、効率的な重心移動、足の回転の速さ、そして90分間走り続けられる心肺機能。
さらに、相手DFの裏を取るタイミングや空間認知能力も合わさることで、日本代表にとって大きな武器になっています。
今回のスウェーデン戦でも、前田選手の裏へのランニングと堂安律選手のアシストが見事にかみ合いました。
速さで相手を崩し、速さでチームを助ける前田大然選手。
今後の日本代表での活躍にも、ますます注目したいですね。


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