理学療法士の視点|あの歌声を支える「宝塚仕込みの体幹トレーニング」
ミセスの難曲をあんなに軽やかに歌いこなす星風まどかさん。
理学療法士の視点で見ると、その歌声の土台には「宝塚歌劇団という過酷な現場」で培われた異次元の身体能力が見えてきます。
10kg以上の「羽根」が作った最強の抗重力筋
宝塚のトップスターが背負う大きな羽根は、重さが10kg〜15kg以上あると言われています。
あの大きい羽根を背負い、大階段を降り、激しく踊りながら歌う。
これを日常的に行うことで、脊柱を支える「抗重力筋」や、重心をミリ単位で制御する「インナーマッスル」が極限まで鍛え抜かれています。
一般の歌手が「喉」で歌おうとするところを、彼女は「強靭な体幹(土台)」で支えて歌っているため、ハイトーンでも声が一切ブレないのです。
DA PUMPの『U.S.A.』の時も、バックで一緒に踊っていた星風まどかさん。
体幹のブレなくものすごく軽やかにステップされていたのも、素敵でした!
20kg減量した私だからわかる「引き上げ」の凄さ
私自身、20kgの減量を経験して痛感したのですが、体を美しく見せ、かつ高いパフォーマンスを維持するには、お腹を内側から支える「腹圧のコントロール」が不可欠です。
宝塚で「引き上げ」と呼ばれるこの技術は、理学療法士的に言えば「インナーユニット(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)の完璧な協調」です。
この土台があるからこそ、ミセスの広大な音域にも体が負けず、豊かな声量を維持できるわけです。
究極の「機能美」
彼女の歌唱姿勢を見ると、肩周りの余計な緊張が一切なく、デコルテが美しく開いています。
これは、体幹が安定しているからこそ実現できる「究極の機能美」。
「ただ歌が上手い」のではなく、「鍛え上げられた肉体という楽器を、完璧に使いこなしている」。
そのプロフェッショナルな姿勢に、同じく体を扱う専門家として、ただただスゴイ、と思うばかりです。
今回の星風まどかさんの歌声、ちょっとバラエティ向きに軽やかな歌い方に聞こえました。
その歌声の使い分けも、すごいな~と感心するばかり。
宝塚流の重厚な発声だけでなく、シチュエーションに合わせて粍単位で声のトーンを使い分ける。
その徹底したプロ意識と身体操作の引き出しの多さには、日々『体』と向き合う仕事をしている端くれとして、ただただ「スゴイ…!」と圧倒されるばかりでした。
【余談】元マルチプレーヤーの私からみた「努力の正体」
実は私、大学生の頃は、サークルでジャクソン5のコピーバンドのボーカルも担当したことがあります。
様々なバンドで楽しむサークルだったので、楽器はベースやドラム、バイオリンもやるマルチプレイヤーとして様々なバンドを経験していたんです。(懐かしすぎる!笑)
当時は絶対音感を声でも楽器でもきっちり表現できていた自負がありましたが、アラフィフになった今は、声帯の微調整が難しくなり、音を外してしまうことも……。
楽器の演奏も歌も、そして「体」を動かす機能も、トレーニングをし続けないと如実に衰えるものだと痛感しています。
第一線でその高い技術を維持し、さらに進化させている星風さんのようなプロフェッショナルは(アラフィフの主婦と比べるなんて超おこがましいですが)、やはり並大抵の努力ではないのだな、と改めて圧倒されました。
次のページでは、星風まどかさんのプロフィールをおさらいします。一緒に見て行きましょう!


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