11月2日に、長寿番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)のエンディングで、2026年3月に放送終了することが発表されました。正直、これだけ当たり前にテレビで見ていた番組が終了するのって、驚きますよね。番組はなせ終了することになったのでしょうか。また、その背景に何があるのでしょうか。
番組終了の理由は?
和田さんは「40周年を目標にしておりましたが、迎えることができて、これがいちばんいいタイミングだなと思って、今日発表させていただきます」と語りました。
理由の一つとして、和田さんの体力的なことが上がっているそうです。生放送の番組のため、体力は継続のための大事な要因。これまで長く続けられてきたのも和田さんの体力があってこそだと思います。これまで、目の手術・人工関節の手術に加え、自己免疫疾患のシェーグレン症候群も患っておられるそうで、出演前に酸素を吸入して、本番に挑んだ日もあったそうです。
それだけ頑張って続けてこられた番組ですが、終了について、2025年8月頃には和田さん自身に了承を得ていたそうです。
日曜日のお昼といえば『アッコにおまかせ!』というい感覚だったほど、長く同時間帯の視聴率1位を取っていましたが、近年は2位以下が多かったようです。
番組編集担当者によると、2025年1月に、10月以降の番組継続を発表した際、番組スポンサーから相当、難色を示されたと聞いた」とのこと。 1月に決まった『アッコにおまかせ!』の継続を、『今年いっぱいまで』とするか、『今年度いっぱいまで』とするか、編成やスポンサーサイドとも折衝していたそうです。その結果、番組の歴史と貢献度を尊重して『今年度いっぱい』と決まったようです。
「かつては『芸能界のご意見番』として歯に衣着せぬ発言で共感を呼んでいた和田さんですが、ここ数年は配慮を欠いた発言が目立っていました。最大の波紋を呼んだのが2024年8月、パリ五輪陸上女子やり投げ金メダリスト・北口榛花選手への“トド発言”です。 和田さんは北口選手に対して『なんかトドみたいなのが横たわってるみたいな。かわいい』とコメント。これに対して『容姿をバカにしている』と批判が殺到し、翌週の放送では彼女自らが謝罪に追い込まれていたのです」(芸能プロ関係者)
「2024年のパリ五輪で、女子やり投の北口榛花選手について、和田さんが『トドみたい』と発言するなど、”炎上”がいくつか話題になりましたが、終了の最大の理由は、視聴率の低迷です」(テレビ局関係者)
番組終了の理由は、ベースに和田さん自身の体力的な要因があった上で、『トド発言』などでスポンサーから難色を示されるように変化してきた時代情勢にありそうですね。
テレビ業界のコンプライアンスや時代の変化は?!
これまでだったら多少言葉が乱暴でも「和田アキ子らしさ」としてお茶の間に受け入れられて、長寿番組として愛されてきました。しかしながら、近年はコンプライアンス(法令遵守や倫理規定)が厳しくなり、SNSを通じて視聴者の声が瞬時に拡がることで、悪意なく発信したことでも、受け取り側の声の比重が以前より重く受け止められるような時代になりました。
テレビ業界において、コンプライアンスの基準は年々厳格化しており、長寿番組の制作や存続に大きな影響を与えています。
例えば、体を張った過激なコントのような「お行儀が悪い」程度で許容されてきた表現も、2000年代以降の企業の不祥事増加やグローバル化に伴い、社会全体のコンプライアンス意識が向上したことで、自主規制から社会的要請に変化してきています。例えば、昔は面白く見ていた『風雲たけし城』(TBS系)や『8時だョ!全員集合』(TBS系)のような体を張った番組は、現代の視点からは「不適切」と感じられる要素が多いと思われます。
インターネットやSNSでの”炎上”がひとたび発生すると、全国民の精査対象となり、テレビ局はこれまで以上に迅速かつ厳格な対応を迫られるようになりました。そうなってくると、視聴率低下やコンプライアンス違反によるイメージダウンを懸念するスポンサーは、番組から撤退を決定するケースも増加します。これも規制強化の大きな要因となっているようです。
テレビ番組について、発信側と受け手側の関係性が変わってきていて、発信された内容が万人にとって心地良いものなのか、そうでないものなのか、という話になってしまって、昔だったら面白いことができたのに、という芸人さんたちの話も良く聞くことと思います。時代の変化として致し方ないかな、とも思いますが、ただ、私自身は受け手側として『言ったもん勝ち』みたいにはなりたくないなと考えてしまいます。また、発信側と受け手側だけの問題ではなく、スポンサーが関係しているという点では、テレビ番組は特に難しいのだろうな、と和田さんの番組終了を聞いていても思いました。
表現の自由・公共性・倫理とのバランスをとり続ける努力が、発信側にも受け手側にも必要なのかもしれませんね。
まとめ
長寿番組『アッコにおまかせ!」は、40周年を迎え、和田さんの体力的な問題がベースにある上で、視聴率低下やコンプライアンス厳格化の時代の流れに伴い、番組終了を迎えることになったと考えて良さそうです。
テレビ番組では発信側・受け手側・スポンサー側の3者が存在しており、コンプライアンス厳格化の時代の流れの中で、業界全体の大きな転換期を迎えていると言えそうです。モノを言うのも難しい時代ですが、どの立場であっても、お互いマナーと節度を持って、多様性を認めていければ良いなと思いました。


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